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更新情報 ひっそりとオリジナル創作更新中(BL注意)
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※12月7日牛魔王誕の小?話です。
色々と『おかしくないそれ?』『ないだろ』みたいなところがあるかとは思いますが、セルフでツッコミ済みですのでどうぞ皆様はツッコミの心配をなさることなく、フィーリングで雰囲気を楽しんでいただけたら幸いです。
リアルを追求するよりもあるがままを受け入れる……少しだけ大人になったような気になりませんか?(ならないよ)










朝。
地上とは異なり日の昇らぬ冥界の夜明けは、唯一月の動きによってのみ知ることが出来る。
その日、冥王の一人である牛魔王の寝室では、常ならば部屋の主以外何人たりとも侵すことなど許されぬ静寂が、突如扉を開くけたたましい音と早朝にあるまじきハイテンションな声で破られるという前代未聞の出来事が発生していた。


「おはようございます父上!本日は絶好の宴日和!!さあご起床になってムーヴ!!!ム」




ゴッ!




鈍く、重い音が響き、寝室が再び静寂を取り戻す。
『ゴゴゴ……』という不穏な擬音を背後に纏い、寝起きの不機嫌丸出しで部屋の主である牛魔王が低く唸った。


「騒々しい」


「…………申し訳ありません父上」
声にこたえたのは、騒音の元凶であり床に顔をめり込ませたままの息子・紅孩児である。
牛魔王の一撃を受けても気を失わずにいるというのは、未熟ながらも少しは頑丈になってきたということなのか。
「……一体何事だ」
寝直そうかとも思ったが、早朝から紅孩児が寝室に押し掛けてくることなど珍しいので、万が一の非常事態を考慮して問いかける。
問われた紅孩児は、殴られたことなど忘れたように勢いよく身を起こした。


「はい!本日は父上のお生まれになっためでたき日……お祝いさせていただきたいと思いまして、ささやかながら宴席を設けさせていただきました!」


「…………………………………」
そういえば以前、そんな話をしたような覚えもある。
しかしわざわざ覚えていてわざわざ祝うとは思っていなかった。
自分の出自におよそ無関心な牛魔王からしてみれば、『父の誕生日を祝いたい』など『自分の誕生日だから祝って欲しい』と訴えられるよりも不可解な要求だ。
『下がれ』とあっさり一蹴しかけた。

が。

己の行動に何一つ疑問を持たず、今日という日への期待感で目をキラキラさせている紅孩児を見ていると、それも少々憚られた。
沈思黙考ののちに心の中で特大の溜息を一つ。
「……わかった。その宴とやらに出席してやろう」
「ありがとうございます父上!」
ぱああっと笑った顔がやけに幼く見えて、『本当にこれでいいのだろうか』と一抹の不安を覚えつつ。
牛魔は身支度のために立ち上がったのだった。


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※11月5日閻魔誕の小?話です。










「…何を探している?」




一体何冊目になるだろうか。
最初からずっとそうであったように、それもまた手にとって何ページかめくると、すぐに棚に戻された。
目当ての本がなかなか見つからぬらしい紅孩児をただ観察しているだけにも飽いて、閻魔王は静かに問いかけた。

※10月10日ナタク誕の小?話です。
なんというか、全然祝えていませんが、
……ナタクのお誕生会をプロデュースする紅孩児が書きたかったので!
岩城の素のノリ全開で書いたので、世界観を無視したかなりカオスな話に仕上がっています。
カオス上等!という方のみ、続きから読んでやってくださいませ。
宣言しておきます。ギャグです。










ナタクの一日は占術で今日を視るところから始まる。
その結果が吉兆であろうと凶兆であろうと、ナタクの占いで視る事のできるそれは定められたことであり、基本的には避ける事のできないものだ。
だからナタクはどんな結果が出ようとも、例えば凶兆であるのならそれを少しでも軽減するために自分に出来ることをするまでである。
しかし流石に本日の結果は、冷静沈着なナタクをも戸惑わせるものだった。

「全てが凶……?部屋から一歩も出ずに布団をかぶって寝ていろとでも言うのか……?」

ない眉を寄せて、考え込む。
そうできるのならばそうしていたいが、きっとそれも叶わぬのだろう。
外れることなど期待できないほど、残念ながらナタクは優秀な占術師だった。

今日一日の己の身の振り方について考えていると、城仕えの下級妖怪がやってきて、紅孩児が呼んでいる旨を告げた。

途端、背中に嫌な汗が流れるのを感じる。
凶兆の占いに紅孩児の呼び出し。
間違いなくろくでもないことに巻き込まれるであろうことは火を見るよりも明らかだ。

……だが。

自分の立場でそれを拒否することなど出来はしない。
ナタクは内心大きく溜息をつきながらも、『すぐに向かう』と言う以外になかった。

※9月16日の紅孩児誕の小?話です。
岩城、どうしても牛魔王の一問一答で、父上が『紅孩児から聞いた自分の誕生日』を答えたのを補完したかった模様。
紅孩児の誕生日なのに、なぜか父上メインぽい話です。
興味ある方はどうぞ。
捏造脳内設定過多ですよ……。
読んでいなくてもそれほど問題ないかと思われますが、一応『暗黒の淵の落とし子』設定前提です。










重厚な扉を開くと、黴臭さと年経りた埃に包まれる。
普通ならば眉を顰め不快感を催すであろうそれに、俺は少しだけ心を弾ませた。



それはまだ、俺が牛魔王の息子になって何年も経たぬ、もはや覚えていないほどの昔の話。

衝動。
力いっぱい振るったそれは、相手に『暴力』といえるほどのものを与えることも出来ず。
接触した場所が、殴った拳が、痛んだ。
一瞬の激情が過ぎると、怒りに眩んだ視界が正常に戻る。

こんなことやっちまって、オレ殺されるかな。

怒りの余韻はまだ体に色濃く残っているのに、どこか遠くで冷静にそんなことを考えている自分もいて。
戻した視線の先の相手は、
…しかし予想とは違う表情をしていた。

       何で。


「貴様」


低い声は、大きくはなくて。
……少し、かすれていた。
オレの拳ではこの男に、ほんの少しのダメージすら与えられなかったはずだ。

       なのに、何で。

動きは見えなかった。
空気が動いたから、『ああ俺、殴られるんだ』なんて思ったときには体が宙を舞っていて。
容赦なく壁に打ち付けられ、無様に床に崩れ落ちた。
顔は役者の命だってのに、きっとひどい顔になってるんだろうなあ、と心の裡で笑う。
苦しい。肋骨が折れているかもしれない。
足音が、近くで聞こえた。
殺される、のだろうか。
そうだとしたら最期は笑ってやろうなんて思って、苦心して首を上げた。


「…………………」


紅孩児は、ただオレを見下ろしていた。
全然、笑うことなんて出来なかった。
そこにはいつもの尊大な、見ているだけで無性にイラッとくるような、自信満々の表情はどこにも見当たらなくて。

       だから、お前、何で。


「な…んで………」




そんな顔でオレを見るんだよ。




問おうとして肺から絞り出した声は、声とはいえないような汚い音だ。
聞かなくてはと思うのに、見上げていることがつらかった。
そもそも、怒ったのは俺なのに。


何でお前がそんな、悲しそうな、悔しそうな、やり場のない感情を堪えているような、そんな顔してるんだよ。


奴のいうところの脆弱な人間であるオレは、
その疑問を口にすることは叶わず意識を失った。
 


SYK蓮咲伝公式ビジュアルファンブックの感想です!!

発売おめでとう……!

ち ょ っ と これは折角別ジャンルの原稿やろうと思っていたのに一体どんな罠なんですかというほどの撒き餌が岩城の背丈を超えるくらいに積み上げられていたので。
一日行動不能になっていました(冥界に滾りすぎて)。
そんな、岩城の妄想過多な感想ですがご興味ある方は、どうぞ!

ネタバレなので未購入及び未読の方はご注意ください。
概ね冥界に関する感想考察(妄想含む)しか書かれておりませんので、まともなレビューをお求めの方もご注意ください。
そして異様に長いです。


27日に拍手と情報下さった方ありがとうございました~!
お陰様でVFB購入いたしました!!
この感想で新規書き下ろしが少ないVFBに、岩城がいかに踊らされたかが伝わればと思います…!

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プロフィール
HN:
岩城尋慶(イワキヒロチカ)
性別:
女性
職業:
夢想家
趣味:
紅茶、H・P・ラヴクラフト関連物、Elements Garden
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