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更新情報 ひっそりとオリジナル創作更新中(BL注意)
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蘇芳ルートで『眠りにつく』牛魔王と紅孩児を補完捏造した話です。
『暗黒の淵の落とし子』で書いた出会い前提。薄暗注意報。



等間隔に置かれた蝋燭の頼りない灯りが二つの影を照らし出している。
影は、永遠に続くかと思われる階段を下っていく。
城の地下深くにある封印で、長き眠りにつくために。

冥界にある主要な城には強大な力を封印できる場所が必ず設けてある。
時に時世に合わぬ力を持つ者が現れた場合、冥界の生態バランスを保つために、こうした設備は必要なものであった。

二人分の足音だけが空間を満たし、他にはなにもない。




「……申し訳ありません」




後ろを歩いていた紅孩児が、沈黙を破った。
他に音があれば聞き逃していたのではないかと思うほどの、およそ普段からは想像出来ぬ様な小さな声。
黙っていればもう一度「申し訳ありません」と謝った。
一体何に謝っているのか、など、聞くまでもない。

先刻の敗北。
紅孩児の考えていることなどわかっている。
断罪を、望んでいるのだろう。

立ち止まれば、自然後ろの足音も止まった。
振り返ると、段差のせいで我の視線よりも少し上に、紅孩児の情けない顔がある。
常にない表情を見せられ、『もうよい』と笑い飛ばすのに失敗して、苛立ちがつのった。


何故、敗北を悔いる。

何故、紅孩児、お前は。

己が力を得られなかったことを嘆かないのか。

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S.Y.Kポータブル

発売おめでとうございます!



ええと、本当は発売記念イラストを描いていたんですが、私生活の方が妙に立て込んでてちょっと当日には間に合わず、おまけに31日、1日と一泊旅行とかが入ってまして……。
エレベーターですら乗り物酔える岩城に飛行機旅行とか、その後復活まで数日を費やしたりすると更新いつになるの……?と心配になったので、取り急ぎお祝いと、CDドラマの感想だけ書いておくことにしました。
『どうせしょうもない内容なんだろうなあ』と(そのために買うのに)期待薄なCDドラマでしたが、

「そんなに岩城を酔わせてどうするつもりなの…!?これ岩城以外の人聴いてて楽しいの!?」

という内容でした。
いやどうなんだろうまだ冷静になりきれていないのであれですが。
岩城がそんなところしか拾ってなかっただけかもしれません。
岩城イヤーは都合のいいことしか聞こえませんので。(耳鼻科行った方がいいよ)むしろ脳…?


ネタバレなのでまだ聴いていない方はご注意ください。
ほぼ紅孩児、冥界に関しての感想しかないので、攻略対象キャラに関する感想をお求めの方もご注意ください。
まあ、そういう方は、そもそもこのブログはご覧になってないんじゃないかと……思いますが。
あと岩城の脳内で捏造された何かがまことしやかに混じっていたりするかもしれませんが、書いている本人も自覚してない場合がございますので、ご容赦ください。

無駄に長くなりました☆
聴いたテンションのまま勢いで書き殴ったので推敲が甘いです。
そんな酷い岩城メモが読みたい方は続きからどうぞ。


純粋な力と力がぶつかり合う。
一対一、他者の介在を許さぬ、原始的な戦い。
そこは、冥界にあって妖怪すらも住まぬ不毛の荒野。
知性を持たぬ強暴な怪物たちの暮らす場所。

下級妖怪など一刻とて存在できぬであろう死の大地に、閻魔王はふとした気まぐれから足を向けた。
気配を消して、まるで物見遊山でもするかのような軽い足取りで歩いていく。
異形の妖魔たちが気付いたところでどうということもない。
実力の差を感じ取れないような生存本能の弱いものは、この場所では生きていくことなど叶わぬ。
時折飛び掛かってくる憐れな異形を薙ぎ払いつつ、目的地に到達したので足を止めた。

濃い血と死の臭い。
点々とあたりを彩る異形の千切れ飛んだ四肢。
戦いの気配。

大きいものと小さいものの力がぶつかり合う。
大きい方が優勢。
だが、小さい方の妖気が膨れ上がり、大きい方を飲み込み、弾けた。
次の瞬間、横たわっているのは巨大な異形。
生を勝ち取ったのは、閻魔王の知る者だった。


名を紅孩児。


閻魔王と並び冥界を統べし牛魔王の息子。

 

※オフィシャルに沿いつつ捏造設定を補完した牛魔王と紅孩児の出会い編です。


かつ、と磨かれた床に低く靴音が響く。
冥界の王である牛魔王は、最小限に抑えられた照明の下、一人玉座で思索に耽っていたようであった。
薄暗い空間を迷いなく御前に進み出て頭を垂れる。

「お呼びでしょうか、父上」

声をかけることで、感情を含まない赤い瞳だけが動き、こちらをとらえる。
すべてを支配する冥王は、静かにたった一言だけを口にした。

「……ここに」
「はい」

簡潔に返事をして父上の傍らに立つ。
こうして呼ばれることはよくあった。
特に何かを命じられるわけではなく、ただ、側近く控えてその日を終える。
理由を尋ねたことはない。
父の命に、俺は理由を必要としない。
何より、こうして近くで強大な冥王の力を感じているのが、俺は好きだった。
焦がれてやまない、この美しい力。


それは俺の存在理由<レーゾンデートル>だ。

それは、ナタクが堕天してそう年月の経たないある日のことだった。
定期報告に上がったナタクの顔をふと覗き込んだ牛魔王は、

「お前はどこかあれに似ているな」

と、この男にしては珍しく、面白げに口角を吊り上げた。


『あれ』が何を指すのかは、なんとなく雰囲気で察した。
しかし………一体どこが似ているというのか。
容姿は、まるで違う。
ようやく扱えるようになってきた妖怪としての力の質も、強さも、彼と比較になるものではない。
……とすれば、

性格、ということになるのだろうか。

絶対に似ていない、と思う。
傲岸不遜にして高圧的な人格を思い返せば、むしろ切実に似ていて欲しくないと思う。
しかし当然、牛魔王は自分の言動について、どのような意図で発したか親切に補足説明してくれるような男ではない。
容赦ない「ご苦労だった」の一言で謁見は終わりを告げる。
疑問符を脳内に浮かべながらも牛魔王の御前を辞すと、謁見の間に続く通路で、タイミングよくいやむしろ悪く、その『あれ』に声をかけられた。


「ナタク、ちょうどいいところにいたな。ついて来い」


ナタクの都合も聞かずにいきなりこれだ。
自分の事は見えにくいというが、自分は他人から見てこんな風に映っているのだろうかと少し不安になった。


 

牛魔王×紅孩児的視点(若干外れてる部分もありますが)で一問一答にツッコミを入れていきたいと思います。
本当にこの二人の一問一答には転がされました大好きです。
ツッコミというか、単なる妄想捏造偏見その他色々ですが。

完全にネタバレなのでご注意をば。
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プロフィール
HN:
岩城尋慶(イワキヒロチカ)
性別:
女性
職業:
夢想家
趣味:
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