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なにを思ったかGL4のカーギルの夢っぽい文章です…。

完全なる自己満足ですので、読まれる方はご注意ください。
なお、このカーギルはフィクションです。






『CRAZY REVOLUTION!!』




「ねえねえ、今更だけどさ」
「…何だ?」
「カーギルのお仕事って、何なの?」


デート中。
己の彼氏のことをもっと知りたいと思った私は、今からしてみれば聞かなければ良かったと思うようなことを、ついうっかり聞いてしまった。
私の質問に意味深に笑った彼は、こう、言ったのだ。

「言えば別れることになると思うが、聞きたいのか?」

どうしてこの人の笑顔はこう、胡散臭いのだろうか。
私はそれを何の冗談と笑い飛ばして、そして頷いてしまった。
だってまさか、

「デュルクハイム軍情報部の部長をやっている。文字通り情報を扱う仕事だ。具体的には、捕虜の尋問、要人暗殺、反政府主義者への脅迫…色々あるが、とりあえず表沙汰に出来るような仕事ではないな」

なんて返ってくるとは思わなかったんだもの!!

まだ選挙権すら持ってない私は、世の中の難しいことはよくわからない。
…でも、そんな私にもわかる。
そういうのって、正義の味方とかに倒される側=悪者って言うんだよね?
そりゃまあ、カーギルって目つき悪いし眉間の皺深いし意地悪だし、笑うと悪者っぽいとは思ってたけど!





『別れましょう』





彼の言うとおり、そんな言葉も出かかったけど、言わなかった。
彼の言葉を信じなかったわけではない。(信じたくはなかったけど)
謎多き男ではあるけど、自分に不利益な嘘をつくような人ではないのだ。
むしろあの顔で「善良な八百屋だ」とか言われたら絶対に信じなかった。
…だから、彼は彼の言うとおり、悪い人なんだろう。

でも。

何なのよその『いつ別れても俺は構わないぜ』的な口振りは!!
私がここで別れましょうって言ったらそれで納得しちゃうわけ?!
なんかこう……『彼女に嫌われたくないから本当のことは言えない』みたいな葛藤とかないの?!
信じはしないけど、八百屋って言ってもよかったじゃない!!

……………別れたいって、ことなの?

ぐるぐる色々なことを考えて黙った私に、彼は仕事があると告げてさっさと帰ってしまった。
一人残された私は…どうしていいかわからず、しばらく、立ち尽くしていた。




カーギルと出会ったのは半年前。
私の家は一応首都デュルケンにあるものの、大分外れの方だ。
裏手はもう森になっていて、まあ田舎と言ってもさしつかえがない。
ある日ぶらぶらと辺りを散策していた私は野盗に襲われた。
人相の悪い男数人に囲まれて絶体絶命の大ピンチ。

お母さん、私はお嫁に行けない体にされた挙句に殺されるみたいです。

そんな覚悟をうっかり決めてしまったとき、助けてくれたのが他でもないカーギルだったわけで。
細身でちっとも強そうに見えないのに、手際よく野盗を倒していく彼にときめいた私は、その場で名前を聞き出して、うちまで強引に引っ張ってきてお茶なんかご馳走したりして、ついでに会ったばかりだと言うのに『付き合ってください』と告白までかました。
苦笑した彼は、それでも『いいだろう』と頷いてくれて…。
私は、ごり押しで彼の恋人になったのだ。

正直なところ。
恋は盲目というけど、彼の目つき悪いところも、ちょっと意地悪なところも、好きだったりする。
…私には、優しくしてくれてたと思うし。

堂々と自分の仕事を言い放ったあの顔には、後ろめたいとか、罪悪感とかは皆無だった。
彼は、自分に嘘をつく人ではない。
…つまり、好き好んでその仕事に就いているわけで…。

私は、自分がよければ人のことなんてどうでもいいんだろうか?
誰かがカーギルのせいで酷い目に遭ってたとしても、彼を嫌いになれない。
彼の仕事風景でも見れば気も変わるかもしれないけど、今でも私の中のカーギルは、好きな人のままだ。
だって、彼が人に言えないような仕事をしているのが事実だとしても、
…私を助けてくれたことだって、また事実だと思うから。


うだうだと悩んで早一ヶ月が過ぎてしまった。
どうしようと悩んだところで、答えは決まっている。
…私は、やっぱり彼の事が好きなんだと思う。
でもあれから、カーギルからの連絡はない。
カーギルは仕事が忙しいらしく会える事が少なくて、以前そのことを寂しいと言ったら、彼は手紙を寄越すようになった。
その手紙がまた、意外にも面白のだ。
たまに滞在先の名産品も一緒に届いたりして、連絡先がわからないのでこちらからは返事を書くことはできなかったけど、私はとても嬉しかった。
…そんな手紙も、来ない。
当然といえば当然かもしれない。
あそこで黙ってしまった私を見て、彼はもう別れた気でいるのかもしれない。


…そんなの。


私は、思わず手元にあった一番最近彼から貰った手紙を握りつぶした。


そんなの納得いかないわよ!!


アイツが善い奴だろうと悪い奴だろうと、こんな自然消滅みたいな別れ方は嫌だ。
カーギルが別れたいと思っているなら別れてもいい。
でもそれなら一発くらいは殴ってやらないと気が済まない。
勝手に一人で身軽になろうなんて、そうは問屋が卸さないんだから!!

決意した私は、猪突猛進の字のごとく、家を飛び出した。


…と、息巻いて家を出てきたものの。
よく考えてみたら私はカーギルの居場所を知らない。
また、知る術もない。
知っているのはデュルクハイム軍情報部長だってことだけ。
軍人さんならば、彼のことを知っているだろうか。
私の家の比較的近くに、小さな砦があって軍隊が常駐しているところがある。
何でもいいから情報が欲しいと、私はそこに行ってみることにした。


「民間人は立ち去れ!!」


近付くなり怖そうな兵隊さんに、開口一番追い払われた。
カンジワルー。
ちょっと話を聞くくらいいいじゃないの。
しかし、早く立ち去れよ、と訴えてくる視線には取り付く島もない。
とりあえず周囲の状況をうかがうと、いつもより警戒が厳重なことに気がついた。
…こんなに兵隊さんがいるのははじめて見る。
もう一度、怒られるのを覚悟で接近してみるか否か悩んでいると、砦から誰かが出てきた。
なにやら紙を見て、周りの人に指示を出している。

きっと、偉い人だ!
ひょっとして、あの人ならカーギルの居場所を知っているかも!!

そう思うなり私は走り出していた。
頭の片隅では「そう都合よく行くわけないし、そもそも自分のような民間人にそんなことを教えてくれるわけはない」とわかっていたのだが、生憎と頭より体が先に動く直情型なので、止まらない。

「あの…っ!!」
「貴様っ!!」
「何者だ!女っ!!」
どかっと衝撃があり、その人に近付く前に、私は地面とお友達になっていた。
左右から私の倍くらいは体重のありそうな軍人さんに取り押さえられ、体が痛みに悲鳴を上げる。
「…っ離して…っ!!」
もがこうとしたが、別に人より力があるわけでもない私が職業軍人に押さえられて、身動き取れるはずもなかった。
「黙れ!!一体何が目的でルードヴィッヒ様に…!!」
そこで、声が止まる。
他でもない、私が近寄ろうとしたお偉いさん(と思われる人)が、彼の言葉を制したからだ。
近寄ってきたその人を見て、そこでようやく私はこの人が誰なのか思い出した。

そうだ、ルードヴィッヒ様だ。
デュルクハイムの英雄の。

私ってば、そんなすごい人に走り寄ろうとしちゃったわけ?
…まさか死罪とかにはならないよね?

刺客かなんかと間違えられてこの場で殺されてても文句は言えないことをしでかした自分に、私は青くなった。
彼は取り押さえられている私の前まで悠然と歩いてきて、たっぷり間を取った後、口を開いた。

「女。私に何の用だ」
太陽の光を浴びて、キラリと眼鏡が光る。
その奥にあるのは、冷たい色の瞳だ。
口調は穏やかなのに、以前襲われた下品な野盗なんか比べ物にならないほどの威圧感。
私はそれに押し潰されそうになりながらも、何とかして喉の奥から声を絞り出した。
「…カーギルという人を知りませんか…っ?」
「…カーギル」
ほんの少しだけ、冷徹な表情が驚きに変わった。
この人は、カーギルのことを知ってる。
そう、確信する。
「……その男が、どうかしたのか」
「私の恋人なんです。…会おうと思ったんだけど連絡が取れなくて…」
「…恋人、だと?正気…、いや本気か?」

ちょっと。
いま、正気かって聞こうとしたよねこの人。

「正気だし本気です!あの、居場所を知っていたら教えてもらえませんか…?」
「…………………」
彼は、しばらく私の顔を見て考えた後、「その女を離してやれ」と部下に命じ、「しかし…」と渋る部下を一睨みで牽制する。
私はようやく体の自由を取り戻した。
体は、砂まみれだし、あちこちが痛い。
多分打撲とか擦り傷とかがたくさん出来てるだろう。
砂を払う暇も与えずに、英雄・ルードヴィッヒは「ついてこい」と歩き出した。




飾り気ない無骨な砦の中を、案内してくれる(というかただ先を歩いている)ルードヴィッヒ閣下に遅れないようについていく。
服についた汚れを払いながら、ぼんやり彼の背中を見た。

次期大統領とも噂されるデュルクハイムの英雄。
…ちょっと、イメージと違う。
なんだか、もっと優しい人だと勝手に思っていた。
物腰は穏やかだし、怖い顔をしているわけではないけど、底知れぬ冷たさを感じる。

…でもまあ、人気絶頂のルードヴィッヒ閣下に会ったことには違いないし。
ルードヴィッヒ閣下ファンの友達に自慢してやろう。
サインくらい貰って帰れないかなあ。
彼の一歩後ろを歩きながら、私の思考はノンキを極めていた。


案内されたのは、多分だけど彼の執務室。
…でも、こんな小さな砦にいつもいるとは思えないから、今だけの司令室かもしれないけど。
執務机の斜め前にある応接セットにかけるように言われて、思わず服が汚れていることを言った。
彼はそっけなく「かまわん」と返してくる。
それでもやっぱり気が引けて、私は控えめに腰掛けた。
閣下は自分の椅子に座ると、執務机の上に置いてあった書類に目を通し始めて、まるで私の事など気にもしていないみたい。




『サインください!』




…と、言い出す勇気はなかった。
この人、選挙演説してるときはいいけど、面と向かうとなんだか怖いんだもの。


そういえば。


なんとなくついてきてしまったけど、彼は別に『カーギルに会わせてやる』とは一言も言っていない。
…でも、だからといって他の目的があるようには見えないし。
…………………まさか!
閣下はカーギルとは対立していて、人質として私を拉致監禁………?!
私ピンチ!!
…なワケはないか。
人質なら拘束したりするよね。
こっそりと彼を盗み見るが、怜悧な表情からは何も読み取る事が出来ない。


「……お前」


「えっ!は、はいっ!!」
目が合ってしまった瞬間、突然呼ばれて、色々考えていたことを読まれたのかと慌てる。
「な、何でしょうか」
「カーギルが軍で何をやっているのかは知っているのか?」

どき。
や、やっぱりカーギルの敵?!

しらを切ろうかと一瞬の逡巡。
…しかし、とてもじゃないがこの人相手に嘘を押し通す自信がなかったので、正直に答えることにした。
「えと…この間、少しだけ聞きました。でも、そうしたらその後、彼が連絡寄越さなくなって…。聞かされた後黙っちゃったから、私に振られたと思い込んでるんだと思います。そりゃあちょっとびっくりしましたけど…でもそんな勝手に自己完結されても困ると思いませんか?!私まだ何も言ってないのに!!」

口を開くと止まらなくなるのが私の悪い癖だ。
言わなくてもいいことまで言ってるうちにエキサイトしてきた私は、相手がデュルクハイムの英雄、次期大統領候補とも噂されるルードヴィッヒ閣下だということも忘れて熱弁してしまった。
しまった言い過ぎた、と思ったけど、しかし彼は、眼鏡の奥の瞳を細めて…、

なんと私の話に乗ってくれたのだ!

「困った男だな」
「ですよね!!もっと男らしく『黙って俺について来い』くらい言ってもらわないと!!」
賛同を得られた私は嬉しくなって、カーギルとの出会いからお土産に貰ったオーディネル饅頭が美味しかったことまで、無駄にべらべらと語った。
愛想が言い訳ではないが、閣下は聞き上手で(後からカーギルに聞いた話によれば誘導尋問だったらしい)、それはもう、色々と、彼にしてみればネタになるようなことを提供しまくったようだ。




ようやく語るネタも尽きてきた頃、執務室の扉がノックされた。
閣下の「入れ」の声で人が入ってくる。


「お呼びでしょうか、ルードヴィッヒ閣下」


ピシッとかっこよく敬礼したのは私の意中の人で。
制服姿、初めて見た!
かっこいいけど胡散臭い!!
やっぱり悪い人っぽい!!

「ああ。だがその前に、お前に客人だ」

閣下に言われて、カーギルはようやく室内に人(私)がいたことに気がついたらしい。
「は?客…って、お前っ!!何故ここにいるっ!?」
「貴方に会うために決まってるでしょ!連絡先わからないから来ちゃったわよ!!」
「来ちゃったと言われても…。あ、いえ、閣下…これは」
いつになく取り乱しているカーギルに、閣下はそっけなく言った。
「話がついたらすぐに戻れ」
「はっ!!し、失礼します!!おいっ、行くぞ!!」
「ちょっと引っ張らないでよ!!…あ、あの、ありがとうございました!!」
ちゃんとカーギルに会わせてくれたことと、あとたくさん話を聞いてくれたことにお礼を言うと、閣下は早く行け、と言いながら、少しだけ笑ってくれた。




執務室を出て、人気のないところに私を連れ込んだ(人聞きが悪い)カーギルは、すぐに頭ごなしに怒った。
「お前という奴は…!よりにもよってルードヴィッヒ様に近付くとは何事だ!!」
その怒った顔がかなり本気だったので、流石に仕事先に押しかけて、しかも上司の執務室で長話なんてちょっとやりすぎたかなあと小さくなる。
「だ、だって…、私がこうやって行動起こさなかったら、カーギル、そのままトンズラするつもりだったでしょ」
「…………」
彼は、黙った。
その沈黙は肯定だ。
私はぎゅっと拳を握る。


「私は!別れるつもりないんだからね!!」


「何?」
信じられないというように聞き返すカーギル。
ああ本当に、私の愛なんかそんなものだと思われてたんだ。
「お仕事のことは…よく、わからないけど。でも、例えカーギルが救いようのない悪党だったとしても、私を助けてくれたことは事実だもん!!手紙くれるのも嬉しかったし、意地悪だけど物知りで優しいし…。とにかく、もし別れたいと思ってるなら、きちんとそっちから振っていきなさいよ!!」
「…………お前…………」
呆れ顔になったカーギルは、諦めたように一つ息を吐いた。
それはまるで悪い話をするときの仕草のようにも見えて、私はすがるように彼を見上げる。
そんな私の頭を、彼はくしゃっとかきまぜた。


「俺と連絡がつく方法を教えるから、もうルードヴィッヒ様に近付いたりするなよ」


顔を上げる。
…それって…今までどおりでいいってことよね?!
嬉しい。
…嬉しいけど、それを素直に言うのはなんだか照れ臭くて。

「…残念だな。折角今をときめくルードヴィッヒ様とお近づきになれたのに」
「…お前な」
ミーハーな言葉で紛らわせると、カーギルは呆れ半分、怒り半分って表情になった。
「あっ、やきもち?」
「なわけあるか!!大体ルードヴィッヒ様がお前を相手にするわけな…もとい、スキャンダルのネタにでもなったらどうする!!」
「ちょっとー。本当にしても失礼なこというわね。ちえっ、じゃあいいよ、会えたことを友達に自慢するから」
「俺の話はするなよ」
「しないよ。だって、共犯者として捕まったら嫌だもん」
「そっちか!!」
間髪入れないツッコミに、思わず嬉しくなってしまう。
「ジョーダンだよ。カーギルが捕まったら、共犯者だって名乗り出て、一緒に獄門台に上ってあげる!」
そこで言葉を切って、ぎゅっと彼の軍服の裾を掴んだ。




 




「………だから、黙っていなくなったりしないでよ………」




 




小さく、小さく本音を告げる。

もう二度と会えなかったらどうしようって、心配だった。
いかつい軍人さん達に囲まれて、心細かった。
…また会えて、よかった。


俯いた私を、彼は黙って抱きしめた。
肯定は、してもらえなかったけど。
……必要とあらば、この人は私なんか置いていくのだろう。
…でも、今だけは、彼の優しい腕を信じたいと思った。


甘い時間は、すぐに終わる。
髪に軽くキスを落としたカーギルは、先ほど私が引っ張ってしまった軍服を神経質に整えながら言った。
「すぐにルードヴィッヒ様のところへ戻らなければならないから送ってやれないが、気をつけて帰れ」
「うん。ここから家まで近いから大丈夫」
「今は忙しいから、落ち着いたらすぐに連絡を入れる。それまでは待っていろ」

本当は、もっと一緒にいたいけれど、これ以上彼にワガママを言うわけには行かないし。

私は素直に頷いた。
…あと、ついでに謝る。
「はい。……あの、今更だけど押しかけちゃってごめんなさい」
「…本当に今更だな」
「もう、謝ってるんだから素直に許してよ!」
「…わかった。もうするなよ」
意地悪な言葉にぽかぽか叩くと、埃が立つとばかりに軽くいなされる。
彼が歩き出したのでその後ろに続くと、

「…ああ、そうだ」

不意に足を止めたカーギルが、上から下までじっと私を見る。
そういえば、服が汚れているのを忘れていた。
恋人の前でこんな薄汚れた格好もないよね。
勢いだけで家を飛び出してきたから普段着だし。
見られたくなくて、思わず視線から逃げるようにじり、とあとずさってしまう。
「……な、なに?」
「じっとしてろ」

短い言葉を呟いた彼の手が、淡い光を帯びる。
それは優しく、私を包んだ。

「……………………魔法?」
「そうだ」
「すごい!!治った!!」
擦り傷や打撲が、綺麗に治ってしまった。
…もちろん、汚れはそのままだけど。
彼が見てたのは、服じゃなくて傷だったらしい。
「よかったな」


喜んだ私の頭を撫でる、その、目を細めて笑う顔。
…悪者っぽくて、本当は好きなの。
恥ずかしいから、本人には言わないけど。


「カーギル魔法使えたんだ?!」
最近、魔法というものが実在する事が公表されたけど、実際に見たのは初めてだったので、…しかもこんなに身近な人が使うとは思わなかったので、驚いた。
「軍では普通だ。…ご両親には転んだと言えよ」
「うん。…それじゃあ、帰るね」
「…ああ」
一応、出口まで送ってくれた彼に笑顔で手を振って。
私はご機嫌で帰路についた。

早く連絡くれないと、また仕事場に押しかけちゃうからね!





…なんて、心の中だけで脅迫しながら。





(おしまい)




 




 




●おまけ●

執務室へ入るなり、カーギルは主に深く頭を下げた。
「先程は、失礼致しました。…申し訳ありません」
「謝る必要はない。色々と興味深い話を聞かせてもらった」
「……………」
返ってきた楽しそうな声音に、カーギルは嫌な汗が背中を流れるのを感じる。
『ラブラブで結構なことだ』的な、からかいであればよかったのだが…、
生憎と、このルードヴィッヒという男は、そんなありきたりな上司ではなかった。
この場合の『色々と興味深い話』とは、『カーギルの弱みになる話』である。
…もしもカーギルが裏切るような事があれば、容赦なくそこをついてくるつもりだろう。
デリンガーを見限り、ルードヴィッヒについたからには裏切るつもりなどないが、それにしても弱みを握られた相手が悪すぎる。
黙ってしまったカーギルに、デュルクハイムの英雄は眼鏡の奥で柔らかく笑った。





「これからも私に力を貸してくれるな?カーギル」


問いかけではあるが、選択の余地などない。
「……はっ!」
カーギルは内心、それはもう大きな溜息をつきながら、敬礼したのだった。




 





●後書きという名の言い訳●

見苦しいことに言い訳します。
一応、時期としてはカーギルがヒエンを取り逃した後くらい。
まだルーがヴァルカニア方面で指揮執ってた頃ですね。
…その頃二人がデュルケン辺りにいたとは思われないけど深いことは気にしない!!

カーギルが別人なのは今更。
こんなでも非道だし外道だし拷問がライフワークですよ。
彼女は別腹なんだよ!!
野盗からヒロインを助けたのは、人助けという大義名分の下に拷問行為が出来ると思ったから。
…なのに告白とかされちゃっておかしいなーみたいな。
そんなカーギルで。

閣下が出張ってるのは当然趣味です。
ルーのサイン欲しい…!!
頼んだら絶対してくれると思う。
ブロマイド(?)にサイン頼みてええええ!!(正気に戻れ)

続きとか…。出会い編とか…。
ネタはあるけど書く時間がないのが岩城。
…誰も期待してないと思うと書きたくなるのが岩城。

無意味。





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